今年は神大のお休み年、神大ファンには寂しい年となりましたが、新たなスターが生まれる可能性もあります。さあ、今年のコンクール。いかなるドラマが待ち受けているのでしょうか。 日時:2008年10月25日土曜日14時50分 場所:大阪国際会議場 プログラムを見ると、金賞有力校の駒澤、福岡工業の2団体が自由曲にネリベルを選びました。なんと懐かしいことでしょうか。 交響的断章は関西学院大学。アンティフォナーレは福岡大の演奏が耳に残っています。30年経った今、いったいどのような感動をいただけるのか楽しみです。 とりあえず、予想としては、駒澤、文教の金は確実。それに続くのが演奏順に言えば、龍谷、福工大、近畿大、この3校の激戦となるでしょう。 あと個人的に注目しているのは、独特の音楽観を出してくださる東北福祉。地元東海代表愛知教育大、神大と同じ東関東の初出場城西国際大、激戦の中国代表山口大。というところです。 と、本番前に予想しましたが、一部波乱が起こりました。 私の席は 2階のFD47 上手側の端っこでした。ステージまで打ち下ろしの80から90ヤードといった感じです。私の場合は52度のAWでのコントロールショットというところ。 初めに、塚田先生のご挨拶 「えー、先週中学、高校の部が終わりました。とても素晴らしい演奏でした。本日は大学生。中高生とは一味違う大人の演奏を期待します」 というようないつもと同じことをおっしゃってました。 私の私的審査は、課題曲(音楽性、技術)自由曲(音楽性、技術)の順です 1: 北陸支部 石川県代表 金沢大学吹奏楽団 (指揮 : 三浦宏予) 3年連続14回目 この課題曲を神大のサマコンで聞きましたが、凛とした中にもいろいろな表情を見せる素晴らしい曲でした。 この課題曲を選ぶ指揮者の勇気はすばらしいが、消化できてない所も多く見受けられました。 最初のテーマの音の移り方があっけなく、この曲の張り詰めた緊張感を出せてないように感じました。移り行く場面の変化もなくただ音が出てきただけという演奏でした。 自由曲はきっちりとした演奏を目指していたのは伝わってきましたが、色彩感のある音楽を表現しきれてないように感じました。なく淡々と演奏されてました。 私的審査EEEE 結果:銅賞 入れ替えは、下手から上手への流れでしたが、面白いのは後ろの反響版を半分上げてパーカッションを入れ替えてました。 2: 東北支部 宮城県代表 東北福祉大学吹奏楽部 (指揮 : 松崎泰賢) 2年連続6回目 ピアノが相当下手の客席側へ、パーカッションは下手側の平段、ティンパニが平段の奥のほうにあり聴きずらそう。 課題曲、リズムの感じ方が甘いように感じました。この曲の持つ緊張感が出るともっと楽しく聴けたと思いました。 ピアノあんなに前にあるのに聴こえてきません。もう少し奥にした方が反響版に当たって聞こえてくると思いました。チューニングをもっと細かくしてくだされば、この曲の豊かなサウンドがもっと楽しめたと思いました。 私的審査DCDC 結果:銀賞 3: 関西支部 京都府代表 龍谷大学学友会学術文化局吹奏楽部 (指揮 : 若林義人)
3年連続14回目 並び方が変わってました。一番上の雛壇はパーカッション。そのした。通常ならTp、Tbの席に下手からFl、Ob、Fg、弦バス。平段の上手奥にTp、Tbが並んでます。 課題曲、緊張感のある素晴らしい演奏でした。拍子感が出るともっと音楽に深みが出てくると思いました。せっかく不協和音もきっちりチューニングされているのですから混ぜぐあいにもうひと工夫あると汚く感じることはなかったと思いますが、これは指揮者の意図的なことかもしれません。 自由曲もffが汚く感じます。耳がすこし痛くなるくらいでした。前の方の席でなくて良かったと思った次第です。いつもこの団体に思うことですが拍子感がもっと出れば音楽の楽しさをもっと出せると思いましたがいかがでしょうか。 強い、弱いだけでなく音に意味を持たせていただきたい。 私的審査BACA 結果:金賞 4: 東京支部 東京都代表 駒澤大学吹奏楽部 (指揮 : 上埜 孝) 3出休み明け20回目 いつものように、指揮台の横にくっつけて補助台が。それをゆっくりと上っていく上埜先生。いったいいくつになったのだろうか。弦バスもいつものように自前の台。 課題曲、とても丁寧に音が移っていく。今日初めて音楽を聴くことが出来ました。緊張感のあるp、やかましくない豊かなf、理想的な吹奏楽の音を出してくれました。 自由曲、昔このような曲をハッタリ物と言っていましたが、無機質なこの曲を一つ一つの音に意味を持たせて豊かな表現力で楽しく聴かせていただきました。ただ、良く知っている曲だけにカットが気になりました。 私的審査AAAA 結果:金賞 5: 西関東支部 埼玉県代表 文教大学吹奏楽部 (指揮 : 瀬尾宗利) 3出休み明け17回目 課題曲、とても豊かな響き。テンポ感も高度に揺らして聴き応えのあるすばらしいマーチでした。ホールを出て上を向いて歩き出したくなりました。ブラボーと叫びたくなったほどです。 自由曲、これも豊かな表情、しっかりと、しっとりと隅々まで手を抜かずに作り上げ歌ってくれました。これほどの音作り、繊細な表現、私としては涙が出るくらい感動しましたが、銀賞には耳を疑いました。どこに落ち度があったのでしょうか。審査員に聞いてみたい。 私的審査AAAA 結果:銀賞 6: 東海支部 愛知県代表 愛知教育大学吹奏楽団 (指揮 : 河田智仁)
42年ぶり4回目(愛知学芸大学時代を含む) 課題曲、音に伸びがなく突っかかって転びそうになってました。マーチって難しいですね。 自由曲、これも3拍子の楽しさが出てくれればもっと楽しく聴けたと思います。色彩感も綺麗に出そうとしている意図は感じました。 私的審査BDDD 結果:銅賞 7: 九州支部 福岡県代表 福岡工業大学吹奏楽団 (指揮 : 柴田裕二) 3年連続10回目 課題曲、今年こそ金賞を取ろうというプレッシャーなのでしょうかメロディの歌い方が例年より硬く感じました。そのためこの曲の優しさがもうひとつ出せてなかったように思いました。とにかく硬かった。 自由曲、ネリベルはこのように無機質に演奏すればよいと思いますが、駒澤の温かみのあるネリベルを聴いたあとなので、その無表情なところがなんか寂しく感じてしまいました。課題曲をもっと表情豊かに演奏できていれば、この無機質さも対比的に気持ちよく感じれたのかも知れません。 私的審査BACA 結果:銀賞 8: 東関東支部 千葉県代表 城西国際大学吹奏楽団 (指揮 : 山口聖一) 初出場 課題曲、圧倒的にブラスが多くどんな音が出てくるか不安でしたが、とてもバランス良く安心して聴けました。 自由曲も良く考えたバランスで、指揮者のセンスの良さを感じました。団員に力がついてくれば大化けする団体と思いました。 私的審査BDCE 結果:銅賞 9: 九州支部 熊本県代表 熊本大学体育会吹奏楽部 (指揮 : 岡本憲昭) 10年ぶり3回目 課題曲、この曲の難しさとでもいうか、深く深く掘り下げないとまったく中身のない音楽になってしまいます。丁寧に演奏してましたが結局浅井捕らえ方になってしまっていました。 自由曲もあっさりした表現で、この曲の不安、緊張、喜びという音楽表現が今一でした。 私的審査EDED 結果:銀賞 10: 北海道支部 札幌地区代表 札幌大学吹奏楽団 (指揮 : 今井敏勝)
3年連続7回目 課題曲、指揮者の意図はなんとなく分かりましたが、場面が展開しているのに演奏はあまり変化がなく、この曲の面白さが伝わってきません。 自由曲、リズムの楽しさが表現できたらもっと楽しめたと思います。音の始まりと終わりがすこし荒っぽくてそのために全体が雑に感じてしまいました。 私的審査EDEE 結果:銀賞 11: 中国支部 山口県代表 山口大学文化会吹奏楽部 (指揮 : 松田和寛) 2年ぶり3回目 課題曲、一つ一つの音の意味を感じて楽しむことが出来れば、もっと楽しく聴くことが出来たと思いました。 自由曲、ドラマチックな曲を取り上げていました。ただ、ドラマを楽しむことが出来ませんでした。とても期待していた団体でしたが今回はもうひとつでした。 私的審査DEDC 結果:銀賞 12: 関西支部 大阪府代表 近畿大学吹奏楽部 (指揮 : 森下治郎) 2年連続25回目 課題曲、とても実力のある伝統校、それだけに、もっと音楽を深く捕らえて召集を納得させる演奏を期待したい。 自由曲 とても素晴らしい演奏でしたが、表面はとても素晴らしいのは分かりましたが、このバンドにはもっと深い表現が出来るはずです。ただ、強い、弱い、クレッシェンド、デクレッシェンドだけでなく、譜面の中をもっとまさぐって音楽を追求していただきたいと思っております。このバンドは金賞に満足するだけのバンドではございません。 私的審査ABCA 結果:金賞
ほんどに文教の銀賞には驚きました。私の耳が悪くなったのでしょうか。などど考えてエスカレーターを降りるとホールの椅子に腰掛けている紳士の頭が、あれ、どこかで見たような、え、まさか、、、 フロアに下りて恐る恐る近寄ると、おぉ、O先生ではありませんか。 私「先生、何しに来たのですか」(まずコンクールを見ることがない先生がなぜ?) 先生「お勉強だよ、お勉強、、」 私「またまた、、お勉強することなんてないでしょう、、。」 先生「いえいえ、まだまだ、、」「そういえば北海道演奏会で村中君にあったよ、元気そうだったよ」 私「へぇー、しかし先生はいつまでも元気ですね、そろそろ前期高齢者なんだからのんびりしましょうよ」 などとたわいもないお話をして帰路につきました。
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