2005全日本吹奏楽コンクール大学の部 本文へジャンプ

各地から予選を突破した選ばれたバンドによる最終選考会、吹奏楽コンクール全国大会が開催されました。今回も明和テレビが総力を上げて実況中継を報告いたします。

2005年10月22日土曜日14時50分  大阪国際会議場

私は、13時30分ごろ会場に到着、入口はもう既に行列が出来ていました。最後尾に並んで待っていると、プログラムの出前販売が行われていました。さすが商業の町:大阪です。1冊500円、負けてぇな、と値切ったが応じてもらえませんでした。(あたりまえ)

1階の真ん中当たりに席を確保し、あたりを見渡すと田原さんを発見。

「おお、木野君、君は来ていると思っていたよ。」

10月に行われたOB会の様子を少し教えていただきました。遠山会長が名誉会長になられ、田原さんが会長になったそうです。また、益田さん内田さんのホームページ、そして私の明和テレビがOB会から認められたようです。ありがとうございます。

ブーーー!

予鈴がなりました、コンサートの予鈴はもっと耳に優しい音楽にしてほしいものです。私の地元(岐阜)でさえ、予鈴はハンドベルの音楽です。

アナウンス「ただ今より第53全日本吹奏楽コンクール大学の部を始めます。」

塚田「出演する各団体に惜しみない拍手を、演奏する大学生は音楽的に格調高い演奏をお願いします。(中略)それでは審査員の紹介をプログラム順に(略)以上9名の先生方です。」

アナウンス「会場内での録音、写真撮影、ビデオ録画は硬くお断りします。時計のアラームは解除し携帯電話はマナーモードではなく電源をお切りください。メールもやめて下さい。会場内でのご飲食もお断りいたします。」

など、いろいろな注意事項を説明、そして暗転し一番の近畿大学が舞台上手から入場。

田原さんの頃は神大にティンパニがなく、近畿大から借りたそうです。そして再び、「ブーーー」の予鈴。

ちょっと耳障りです。

1番 大阪府 近畿大学吹奏楽部 (指揮 : 守屋英二) 2年ぶり23回目
 課題曲 1: パクス・ロマーナ(松尾善雄)
 自由曲 : 大阪俗謡による幻想曲(大栗裕) 私:B B+ 結果:銀賞

復活の近畿大。今回は学生指揮ではありませんでした。私は近畿大のことが気になり大阪府大会も聴きに行たほどです。古豪には頑張ってもらいたいものです。

課題曲、ファンファーレ後のティンパニやチューブラベルとバンドのピッチが合ってない。昨日あたりから気温が下がり、室外と中の温度が違う、その上、1番スタートという不利もあり、チューニングは難しかったのでしょうか。金管も微妙にピッチが合ってなく、迫力ある演奏だけに、ピッチが合わないと強音がやかましく感じてしまいました。ドラマチックな課題曲を力だけで演奏した感じです。

自由曲も、皆さん体を使って一生懸命表現しようとしてましたが、音としてはもう一つ伝わって来ません。音楽は強弱だけではないと思いますがいかがでしょうか。お囃子のリズムも平坦で、私は府大会のようには乗っていけませんでした。

ラスト1分くらいの盛り上がりがよかっただけに残念。

田原さんも、上手いんだけどなあ、上手いんだけど何かなぁ・・・

2番 埼玉県 文教大学吹奏楽部 (指揮 : 佐川聖二) 2年連続15回目
 課題曲 3: ストリート・パフォーマーズ・マーチ(高橋宏樹)
 自由曲 : 紺碧の波濤(長生淳)  私:A A+ 結果:金賞

大道芸人がパフォーマンスしている情景が目に浮かぶような課題曲の演奏でした。後半のテンポがだんだん速くなるところを、手をぐるぐる回して指揮をする佐川氏、意図する音楽を我々にわかりやすく指揮で見せ、その通りの音を出す団員。すばらしかったです。

自由曲の作曲家、長生さんは、私が注目している作曲家です。心の内面の嬉しさ、やさしさ、苦悩を吹奏楽という制限の中で表現しています。今後もっともっといい作品が出てくる予感がします。

曲は、冒頭にフルートが平安絵巻のようなメロディで始まる。そしてハープで枇杷を模倣し、篠笛(と思う)が登場する。凛とした京都の庭園を見ているようだ。

そして過去のいろんな思いが葛藤してぐるぐると心をかき乱す。聴いていて心臓が締め付けられそうになる。そしてまた展開し、さらに激しくなる。そして新たなリズムと共に何かが迫ってくる。その後、再び篠笛(と思う)がやさしく語る。それに他の楽器が重なり、うねり、激しく終わる。

ものすごく緊張感のある、すばらしい演奏でした。是非、神大もこの曲を演奏していただきたいと思いました。

3番 静岡県 静岡大学吹奏楽団 (指揮 : 三田村健) 3年ぶり回目
 課題曲 4: サンライズマーチ(佐藤俊介)
 自由曲 : ハリソンの夢(P.グラハム)  私:B- C+ 結果:銀賞

パーカッションのセッティングに手間取り、アナウンスが流れても、なかなか始まりませんでした。

一生懸命歌っているのは良く伝わりましたが、語尾がブツブツと途切れ、表現したいところが私は良く見えませんでした。

自由曲も、ドラマチックな曲なのに、平坦に流れてしまったように感じました。でも、実力、伝統のあるバンドですので、来年に期待いたします。

4番 札幌地区 浅井学園大学吹奏楽団 (指揮 : 菅原克弘) 出場
 課題曲 3: ストリート・パフォーマーズ・マーチ(高橋宏樹)
 自由曲 : 序曲「ピーター・ルー」(M.アーノルド/近藤久敦) 私:C C 結果:銅賞

これからのバンドと思いましが。皆様精一杯頑張っているのが良く分かりました。指揮者の菅原さんは短期間で強豪のそろう北海道支部代表になったのです。是非、これから伝統を築いていただきたいものです。

5番 神奈川県 神奈川大学吹奏楽部 (指揮 : 小澤俊朗) 3休明け35回目
 課題曲 1: パクス・ロマーナ(松尾善雄)
 自由曲 : 楽劇「サロメ」より 七つのヴェールの踊り(R.シュトラウス/M.ハインズレー) 私:A+ A+ 結果:金賞

課題曲、すんだファンファーレにホルンがストレートパンチのように音を当てる。ティンパニとシンバルの飾りも心憎い、他の団体より音が長く弦楽器のような余韻がある。テンポ感もマーチらしく前へ前へと進んでいく。そして最後のファンファーレもホルンの当たり方がグッド。抜群でした。

「サロメ」オーボエのソロ、すばらしい。ゆらりゆらりとゆれるソロ。ほんとにこの子はすばらしい。できれば留年してあと何年かソロを聴きたいものです。(失礼)

中間部の間のもたせ方がたまらない。まるで魔術師のようにテンポを自由にあやつる小澤先生。中間部のだれた所がたまらない(表現が乏しくてすいません)。心をえぐるように揺らしてくる。テンポアップが絶妙。場面がどんどん変わっていく、

最後はクラリネットがキラキラと輝き、クライマックスへ、狂ったようにヴェールを脱ぎながら踊っている姿が目に浮かぶ。完璧!

すばらしいドラマでした。ブラボー!と言いたかったけど、自分の大学ですし恥ずかしくて言えませんでした。でも、ブラボーです。

田原氏「木管も綺麗だね。」

6番 東京都 駒澤大学吹奏楽部 (指揮 : 上埜 孝) 2年連続18回目
 課題曲 1: パクス・ロマーナ(松尾善雄)
 自由曲 : 交響曲第5番「革命」より 第4楽章(D.ショスタコーヴィチ/C.B.ライター) 私:A- B 結果:金賞

上埜先生は指揮台の横に小さな踏み台を特別に置き、2ステップで指揮台にゆっくりと上がりました。多分足が悪いのかと心配です。

おおらかなファンファーレ。ちょっと酔っ払っているような歌い方。これはこれで楽しい。歌謡曲っぽいが上埜ブシを私は嫌いではありません。ブラスを中心に豪快に終わる。

「革命」予想通り派手なオープニング。良く知れた曲だけに何箇所かのカット部分で音楽が途切れてしまい残念。ここのバンドは、音色の変化より上埜節のような歌い方で勝負をしているような感じでした。ちなみに私は上埜節を嫌いではありません。

とにかく、派手。豪快。スカッとする音楽でした。

  休憩

エスカレーターで餃子の三橋君に会う。宇都宮ではお世話になりました。全国大会、なんで、来年又宇都宮なの?

三橋氏「宇都宮は吹連がしっかりしているからです。」

   やかましい予鈴がなり席に着く

プログラムの「コンクールの歩み」を見ながら、(コンクールの第1回から昨年まで日時と開催地が縦に書いてある)

田原氏「僕はここらへんだなあ(上から1/4あたりを指す)。銀・銀・銀・銀で銀四会なんだ」

私「私はこの辺(上から1/3あたり)。銅・銀・金・金でした。小さく エヘン。オホン。」

我々「吹響会」唯一自慢できるところがここです。別に我々が頑張ったわけでもなく、初金会の皆さんにだらだらと付いて行っただけなのです。でも、先輩方が目指して取れなかった金賞を2ついただきました。もっと言えば、現役の皆さんがほしくても取れない銅賞もあります。3色揃ってます。

7番 福岡県 福岡教育大学吹奏楽部 (指揮 : 平山貴博) 3年ぶり回目
 課題曲 2: マーチ「春風」(南 俊明)
 自由曲 : 「シンフォニア・タプカーラ」より 第1楽章(伊福部昭/松木敏晃) 私:B- B- 結果:銅賞

課題曲は抑え目のファンファーレで始まり、テンポも安定して良く練習されていると思いましたが、押さえすぎの演奏が、無表情という感じにも受けとられる。もっと聴衆にアピールしてほしいと思いました。

自由曲もいろんな場面のある楽しい曲でしたが、これも無表情に感じました。でも、2年前より、格段に音楽への考え方が進歩していると思いました。バランスも良く、交通整理も出来ているので、期待してます。もう少しです。

8番 宮城県 東北福祉大学吹奏楽部 (指揮 : 松崎泰賢) 3年連続回目
 課題曲 1: パクス・ロマーナ(松尾善雄)
 自由曲 : 残酷メアリー(田村文生)    私:B B 結果:銀賞

ティンパニが1列目の左の奥、バスドラムの後ろにあり、客席から見えず、課題曲のバンドとティンパニの掛け合いのところが分かりづらく損をしていたと思います。

田村作品の面白さは出ていたと思います。良く消化されてますが、スピード感の変化が加わるともっと素敵になると思いました。でも、意欲的な選曲で楽しく聴けました。

9番 岡山県 川崎医療福祉大学ハートフルウインズ (指揮 : 岩田俊哉) 2年連続回目
 課題曲 2: マーチ「春風」(南 俊明)
 自由曲 : ブルーシェイズ(F.ティケリ) 私:A- B+ 結果:銀賞

出だしの音の処理が荒く感じましたが、マーチらしく前に進む感じがでていて楽しく聴けました。微妙に音があってなく、徹底したチューニングをすればもっと春風が吹いたと思います。

ティケリは楽しく聴けました。リズムも良く、スタンドプレーも良かったと思いますが、課題曲と一緒で、音の透明度がもっと増せば金色の演奏になったと思います。おしい!

10番 京都府 立命館大学吹奏楽部 (指揮 : 篠原康浩) 2年連続回目
 課題曲 1: パクス・ロマーナ(松尾善雄)
 自由曲 : 管弦楽のための舞踏詩「ラ・ヴァルス」(M.ラヴェル/天野正道) 私:B+ B+ 結果:銀賞

音を水前寺清子(ご存じないと思いますが)のように押して演奏するところが時々あり、ここは好みの分かれるところと思いました。全てが重厚な音でまとめてあり、これも好みの分かれるところですが、私は面白かった。

「ラ・ヴァルス」ワルツって難しいですね。特に吹奏楽でワルツを表現するのは困難のようです。時々マーチに聴こえました。重い音、軽い音、いろんな色、風、などが表現できるともっとフランスらしくなると思いました。

田原さんのフランス在住時代のアパート前が、モーリス・ラベル高校だったそうです。

11番 東京都代表 玉川大学吹奏楽団 (指揮 : 田中 旭) 出場
 課題曲 2: マーチ「春風」(南 俊明)
 自由曲 : 交響曲第2番より(F.ティケリ) 私:B+ B + 結果:金賞

課題曲はテンポ設定や歌い方が知的で品がありましたが、微妙に音が合ってなく損をしていると感じました。

自由曲も知的でお洒落な演奏で、川崎医療とは違ったティケリの楽しい面を見ることが出来ました。

12番 富山県 富山大学吹奏楽団 (指揮 : 前田佳美) 4年ぶり回目
 課題曲 2: マーチ「春風」(南 俊明)
 自由曲 : 二つの交響的断章 (V.ネリベル) 私;C C 結果:銅賞

課題曲も自由曲も一貫した指揮ぶりで、とても楽しそうに見えました。元気もあり、いい思い出が出来たことと思います。

  表彰式

出演した人たちも会場に入り、通路も一杯。

最初に指揮者賞が全指揮者に送られる。小澤先生のところで「小澤センセーー」

たしか、2年前は名前で呼んでいたと思いますが、今年の学生は気を使っていますね。

塚田「発表に先立ちまして三年連続の表彰をいたします。皆さん大きな拍手をお願いします。8番東北福祉大学。以上。」

そして「金と銀は分かりずらいので金賞は金賞ゴールドと言います。」

1番・・・2番文教大学 金賞ゴールド

   わぁーーー 

5番 神奈川大学 金賞ゴールド

    わぁーーー

6番 駒澤大学 金賞ゴールド

    わぁーーー

11番 玉川大学 金賞ゴールド

     ぐゎーがぁーー

やはり、初金賞の玉川大が一番大きく喜んでいました。その後、私の目の前で、田原さんと佐川さんの20年ぶり再開を目の前で確認。二人とも懐かしそうでした。田原会長は佐渡さんとか佐川さんとかいろんな人をご存知でうらやましく思った次第です。

小澤先生にも挨拶しましたが、なにかホッとしたようなやさしい表情をしてました。神大生の皆様、他大学の出演者、関係者の皆様。すばらしい演奏をありがとうございました。

相当神大よりの文章、お許しください。