神奈川大学吹奏楽部第41回定期演奏会 本文へジャンプ

神大吹奏楽部ファンの皆様、そして、吹奏楽部OBの皆様、あけましておめでとうございます。

今年も、会場にいけなかった皆様のために、実況中継をいたします。

2006年1月6日金曜日 17時15分会場18時開演 みなとみらい21大ホール

チケットは既に完売。ほんとにありがたいことです。

私は今回、妻と次男と3人でコンサートを見に行きました。17時30分ごろ会場に着き、OB受付で佐渡さんや佐川さんとお友達の新会長田原さんと年始のご挨拶、そして後輩の矢沢君(だったと思う)からチケットを受け取りました。まだ時間があったので、ホワイエでコーヒーを飲み、周りを見渡すと神大CD売り場で店員に話しかけてる浅井さんを発見。

浅井さんは伝説の庶務として活躍し、その役職の引継ぎで、次の猪爪に、

「いいか猪爪、灰皿は舐めてもいいくらい綺麗に磨くんだ。」「庶務は人間ではない、機械だ、眠たいとか疲れたとか言ってはダメだ。」など、名言集多い方です。

私の席は前から5列目、4列目には、田原会長、ダンディ八代さん、ジェリコの玉川さん、5列目には、私の家族3人と地震のTVタレント長島さん夫婦にへいちゃんこと太田夫人。長島さんから「東海より関東のほうが地震くるかも」との情報。ちょっと心配です。

私は4列目、浅井さんの隣に席を替わり、神大吹奏楽部の歴史についてレクチャーを受けておりました。

ほぼ定刻に上手、下手から演奏者入場。場内拍手。

喜歌劇「こうもり」序曲/ヨハン・シュトラウス/編曲 保科 洋

この所、シュトラウス作品を多く取り上げている先生。 最初は、緊張のせいかリズムの感じ方にバラつきがありましたが、すぐに統一されてきました。吹奏楽でシュトラウスは無理があると思います。弦楽器の艶、ワルツの表現などを管楽器だけ演奏するのは難しい。しかし、神大はみごとに3拍子を表現し、シンフォニックな響きで弦楽器の余韻を補っています。これだけ出来ればOKでしょう。これ以上は限界です。

楽劇「サロメ」より 7つのヴェールの踊り/リヒャルト・シュトラウス

2004年夏録音のCDを聴きましたが、小澤先生この演奏で納得しているとは思えませんでした。この時、近いうち必ず「サロメ」を完璧に仕上げて演奏するだろうと予想しておりました。予想はあたり、2005年コンクールの自由曲として取り上げて、全国大会では先生納得の表現ができたと思いました。しかし、コンクールはカットされているので、きっと定演で全曲演奏するだろうと予想し、これも的中しました。菊花賞はハズレでしたが「サロメ」に関しては予想的中でした。

演奏は、スピード感あふれる冒頭。そしてとても大切なオーボエのソロ。彼女は音色も歌い方もすばらしい。顔を横に揺らしながら魂込めて悩ましいメロディを表現しています。先生は彼女がいたから「サロメ」を完成させたいと思ったのではないでしょうか。

そして、コンクールでも感じましたが中間部の表現が過去の「サロメ」の中で最高と思います。苦しさ、つらさが私の心に伝わってきます。吹奏楽でこれだけ魂込めた表現の出来るバンドは他にはない。

後半は木管の16部音符がキラキラと輝き、最高の盛り上がりを見せます。Tpも成功しました。

音楽祭のプレリュード/アルフレッド・リード

リードさんは2005年9月に他界されました。2004年12月シカゴのミッドウエストコンサートで神大吹奏楽部の指揮をしていただいた縁のある人です。とても残念です。明るい曲風は多くの吹奏楽ファンに愛されていました。

さて、この曲は多分、私が中学校のときコンクールの課題曲だったと思います。浅井さんの話によれば神大もこの課題曲を演奏し、この時の自由曲は「平和の祭り/ニクソン」だったそうです。

最初のファンファーレは華やかというより淑やかに表現してました。全体に、ちゃんとメリハリをつけて演奏してますが、本日一番簡単なはずのこの曲の完成度が、今日の曲のなかで、一番未完成たったように思いました。練習回数も一番少なかったのではないかと想像いたします。

オセロ/アルフレッド・リード

暗転で団員が入れ替わるとき、バタンとする音が上手から聞こえました。振り向くと入場するフルートの子が裾を踏んで転んだようです。頑張って席に着きましたが、ケガや楽器のことがOBとして心配でした。

この曲は天理高校の演奏を聴いたことがありますが、浅井さんの話によれば、コンクール初金賞の年、自分たちの1つ前がこの曲を演奏していたそうです。私も舞台袖で聴いていたはずですが、まったく記憶がありません。ビバブラスで調べたところ、確かに1978年神大は4番目に演奏し、その前の3番目は浅井さんの記憶どおり長野高専が「オセロ」がを演奏してました。浅井さんの神大史は正確です。

  休憩

祈り そして 戯れ 〜光のもとの〜/保科 洋

オーボエとピアノの曲を、この演奏会のために保科先生自らオーボエとバンドの曲に作り変えてくれました。

オーボエの小倉さんはピンクのドレスを着て入場。彼女の白い肌と鮮やかなピンクがとても似合ってます。

曲は、フランス風な色彩感を持つ美しい曲。美しい旋律を表情豊かに演奏してくれました。彼女のオーボエはすばらしい。歴代ナンバーワンと思いますが、皆様いかがでしょうか。音色が豊かなだけでなく、いろんな表情、表現をしてくれる。1年の頃からファンとして見てましたが、年々表現が深くなってきたと思います。ブラボーです。

吹奏楽のための風景詩「陽が昇るとき」/高 昌帥

アナウンサーが少し長く話している間にオーボエの小倉さんが着替えて席に着きました。

T激しい前奏に続き、叙情的なフルートのソロ。このメロディに楽器が重なり少しずつ変化していく。

U不安定なリズムの中で、音とリズムが波のように重なっていく。

V静寂、金管のコラールから始まり、希望にあふれる3拍子のメロディ。これらが重なり力づよく展開し、最後は静かに終わる。

W最初のテーマのようなメロディをSAXが、続いて金管の低音を中心に次のテーマが奏でられる。最後は力強く、輝かしく終わります。すばらしい曲を紹介していただきました。

この人の曲は骨格がガッチリしていてすばらしい。ベートーベンのような完璧に構成された曲です。

   アンコール

ポルカ「雷鳴と電光」/ヨハン・シュトラウス/編曲 アルフレッド・リード

小澤先生客席に「地震、、火事、親父」ぬけたものです(雷)。

この頃から、何人か泣きながら演奏している。この1年、特に苦労の多かった年と思います。訳あって開催があやぶまれたサマコン、3出休み明けのコンクール、自由曲のサロメも小澤先生の18番だけにプレッシャーがあったと思います。

また4年生は神大にとって歴史的にも超多忙なこの4年間をやり遂げた最後の演奏会。2年時にスウェーデンなどのヨーロッパ演奏旅行。3年時にはシカゴのミッドウエストコンサート。そして、苦難の今年1年。よくぞここまで頑張ってくれました。本当にお疲れ様、OBとして感謝します。「ありがとう」

美空ひばりの想い出/編曲 真島 俊夫

いよいよアンコールも定番の2曲となってきました。前列では涙が頬を伝い顎からポトリと落ちる子。楽器を演奏してるから涙を拭けない。ほっぺを震わしながら演奏しています。現役時代を思い出してハンカチを手にして聴き入るOB。そして観客。

星条旗よ永遠なれ/ジョン・フィリップ・スーサ

小澤先生、客席にアンコールとしておなじみの「星条旗・・」の譜面を見せる。

演奏者は目が真っ赤。ほっぺも真っ赤。涙で譜面は見えない。

小澤先生、観客の手拍子も指揮してます。中間部でP席(演奏者の後ろ)にもっと小さな手拍子をするよう指示。

最後は、いつものように客席にも演奏者があふれ出し、2段階ベルアップで大合奏。そして鳴り止まぬ拍手。

今回の演奏会は、上手い下手はともかく、ここ数年で一番印象に残る演奏会でした。

小澤先生、コーチの皆様、そして立派に演奏しきった現役の皆さん、 ありがとう