2001年神大自由曲

神奈川大学吹奏楽部が2001年度吹奏楽コンクールでの自由曲が決まったようです。

ジョセフ・シュワトナー作曲「・・・そしてどこにも山の姿はない」

この曲は1977年にイーストマンウインドアンサンブルの為に作曲され、全米芸術基金の作曲賞を得た作品で、タイトルはキャロル・アドラーという女流詩人が1975年に書いた「アリオーソ」という現代的な詩の中の一句を取った物です。それは

アリオーソ、鐘

セピア色

月の光

午後の太陽は西に白ける

そしてどこにも山の姿はない

響きがもどってくる

音と無音の鐘

この曲は一般の吹奏楽と異なった編成でかかれてます。

フルート6(内4人はピッコロ兼任)、オーボエ4(内2人はイングリッシュホルン兼任)、クラリネット2、バス−ン4、ホルン4、トランペット4、トロンボーン4、チューバ1、弦バス1(アンピリファイヤー付)、ティンパニ1(4台のティンパニ使用)、打楽器5(トータルで46の打楽器使用)。

以上で打楽器の中には 木琴2、ヴィブラフォーン2、グロッケンシュピーゲル2、マリンバ、チューブラベル、半音階のクロタルズのセット(アンティークシンバルのような小型の金属ディスク)、鈴、ウォーターゴング(小型のゴングをたたき、それを水槽にひたしたり、引き上げたりする。その為音が変化する)、多くのシンバル、トムトム、大太鼓(3台)、大きなゴングそれにトライアングルが含まれます。またヴィブラフォーンは金属の鍵盤の横やゴングのふちを弦バスの弓でこすって音を出したりします。

こうした多彩な打楽器セクションに加えてもう一つの特色は4人のオーボエ奏者が兼任で奏する7つのグラス(水が入っていて次の7つの音に調律されている。H、D、E、F#、G、A、C#)の上の淵を指でなでて音を出す特殊効果も用いられてます。

更に、ハミング口笛等も使用され独特のサウンドを作り出します。また楽譜は拍子がなく指揮者の指示で演奏する部分と、拍子があってきちんと楽譜が書かれている部分にわかれ、自由な部分の楽譜はほとんど記号のように記されています。

曲は打楽器セクションの一撃のあとグラスの神秘的なひびきに入り、ピアノのソロと打楽器を中心に進んでゆきます。途中で山の威容を表現するようなホルンの印象的な旋律もきかれます。

この演奏は聴くと言うよりも、見たいものです。神大が予定どおり全国に行けば実況録音版がCDで発売されますが、音だけ聴くのでなく、是非予選会場、又は全国大会の会場で見てみてくださいませ。

神奈川県大会 8月7日 川崎市教育文化会館

東関東大会 9月22日 足利市民会館

全国大会 10月20日 アクトシティ浜松大ホール