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私の体験談

光通信訪問記

 

光通信とはどんな会社だったのか、財部氏のレポートにその中身を垣間見ることが出来たので、掲示いたします。

 

講演依頼を受けて光通信に行ってみたら・・・

じつは昨秋、私のところに、光通信から講演の依頼がありました。これがじつにおかしな話で、講演相手は光通信の取引先でもお客さんでもなく、光通信の役員だということでした。社長以下、数名のために話をしてくれというわけです。講演料は通常の講演料と同じでよいということでした。驚いたのは、講演の依頼を受けたのが私だけではなかったことです。連日、有名人を会社に呼びつつけて、社長以下数名の役員たちに話をさせようという計画だったのです。金にあかしたバブル根性のなれの果てという企画です。

とんでもない野郎だと思い、―度は断ろうと思ったのですが、まともな金銭感覚を完全に失っている重田というITバブルの申し子がどんな男なのかこの目で確かめてみようと思い、講演を引き受けました。
そして当日がやってきました。

私は約束の時間の5分前に大手町にある光通信の本社受付に到着し、来訪の理由を受付の女性に伝えました。どこから見ても―般的な受付嬢には見えない、もっといえぱ普通のOLにも見えない派手な女性にこういったのです。

「講演の講師を頼まれた財部ですが・・・」
すると間髪をいれずに、こんな返事が返ってきました。
「今日は、講演会はありませんよ」
なんと間抜けで失礼な女だという怒りをおさえつつ、社長以下役員に話をするために来たのだと伝えると、「じゃあ、そこでお待ちください」となった。

ところが待てど暮らせど、音沙汰なし。15分ほど経過し、そろそろ我慢も限界という時に、若い男性社員がやってきました。
「お待たせして申し訳ありませんでした」
そして案内されたのは、営業会議でもやるような殺風景な会議室でした。
「もう少しお待ちください」
それだけいって、若い社員は部屋を出て行きました。それから5分が経過したところで、さ
きほどの若い社員がもどってきました。もちろんその間、お茶を出すわけでもありません。そ
して彼いわく、
「すみません、もう少しお待ちいただけますか」
私はこういいました。
「待てないよ。さすが光通信だね。会社としてのていをなしていない。そう重田に伝えておけ」
私は言い捨てて、帰ってしまいました。


重田氏が教えてくれていることとは

それにしても、これだけ無礼な会社はめったにあるものではありません。時価総額で日本有数の巨大企業になりながら、―歩会社に入ってみると、零細企業以下のありさま。

私は職業柄、ずいぶんたくさんの会社を訪ねています。会社というのは本当に面白いもので、玄関をくぐり―歩そのなかにはいっただけで感じるものがあるのです。言葉にすると「社風」というありていの表現になってしまうのですが、社員の態度や社内の空気というものは、その会社のレべルと気質をまちがいなしに投影するのです。

「まともな会社のていをなしていない光通信は、いずれ問題を起こすに違いない」
そう思って光通信を後にしました。光通信の株価が大暴落したのはそれから半年後のことだ
ったのです。

私は重田氏を全否定はしません。企業家として、図抜けた才能力をもっていることはまちがいないでしょう。だが起業することと、事業化することは、じつは違うことだということを彼は教えてくれているのです。