2010全日本吹奏楽コンクール大学の部 本文へジャンプ

今年のコンクールは強豪がそろって出場します。
3出などの変なルールのため強豪がすべて参加できるのは5年に1回くらいになってしまったのです。

そして、その年が今年なんです。

だから、松山というとても不便な街で開催されるのに、頑張って見に行ったのです。
どうして、全国大会を松山という地方都市で開催せねばならないのでしょうか。
全国大会です。出場者も参加者も全国から来るのです。
見に行こうと宿舎を探しても9月あたりから宿泊予約の取れない状態。
全国大会は、政令指定都市でお願いしたいものです。

と、いうことで松山へ
着いたのは当日12時ごろ、さて、高木(吹饗会部長)はどのへんかなっと思い電話
ツルルルゥ 「もしもし、高木君」
高木「おぅ!僕もう会場にいるよ」
私「えぇ! 早いねぇ まだ12時だろ」
高木「何かあるといけないから早く来たんよ」
「待っててよ」といいあわてタクシー呼んで会場へ

タクシーにて
私「まつぎんホール行ってね」
タクシー「吹奏楽ですか?」
私「えぇ、運ちゃん吹奏楽関係者ですか」
タクシー「ちゃいますが 今日明日は吹奏楽関係で104台フル回転なんです」
私「へぇーー」
だから地方都市で開催するとこういうことになるのです。インフラも考えて開催地を選んでください。

ホールにて
高木が入り口で立ってる
私「おぅ 久しぶり 早いじゃないの」
と、高木と会場内レストランで昼食

四国と言えばうどんと思い 名物らしいジャコ天うどんを注文
待つ間に田原会長にも電話
私「田原さん 今どこですか」
会長「俺は昨日から来てるのよ、今日は朝から道後温泉につかってのんびり観光してたのよ。もう会場かい、すぐ向かうよ」
高木と近況話をして注文したうどんを待つ
待つ 待つ 待つ 待つ
待てどもうどんが来ない 忘れているのだろうか
高木「あのなぁ、ここは都会と違ってのんびりしてるんだよ。このくらい普通だよ」
私「へぇーー」そんなもんかなあ。
だから都会でやってよ吹連さん

そうこうしているうちに全員そろう。
今回初めてファゴットの先輩である山地さんにお会いできました。
私とすれ違いに卒業された山地さん。同じファゴットでしたが卒業後30年たっての初対面。なかなかダンディで知的な方です。
我ら吹饗会にはいないタイプ。

懐かしい話をしているうちに開場時間となりました。

日時:2010年10月23日 14時50分 愛媛県県民文化会館(まつぎんホール)

私たちの席は2回上手最前列

ステージではオケピットを上げて、そこを通路に使い入退場の流れを良くしようと考えているようでした。

会場5分前 ブーーーーーーーーー
ウッ うるさい!! 昭和の映画館のようなブザー
これからコンサートが始まるのです。もっと音楽的なブザーにしてください。
1番の神大が入ってくる。
緊張してるのかな、猛練習の成果を出してくれ! と祈る

司会の塚田氏「こんにちは、ここ松山は名所旧跡多く・・・ 
とつづき
「四国連盟の皆様 大変お世話になります。それでは審査員を紹介します」
と言って審査員が立つ
挨拶紹介が終わる 塚田氏退場し いよいよです。会場静まる 
そこで またです

ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さっきより長い長い うるさいうるさい 
音楽が始まるのです。 旅芸人の歌謡ショーではないのです。 
吹連さん お願いします。 ブザーもコンサートの一部です。

課題曲T:迷走するサラバンド/広瀬正憲
    U:オーディナリーマーチ/高橋宏樹
    V:吹奏楽のための民謡「うちなーのてぃだ」/長野雄行
    W:汐風のマーチ/田嶋勉
    X:吹奏楽のためのスケルツォ第2番≪夏≫/鹿野草兵


出場団体

1:東関東代表 神奈川大学吹奏楽部/指揮:小澤俊朗 2年連続39回目
  課題曲X 自由曲:ヴァニタス/作曲:高昌帥

「打つ前にミスをするな」ゴルフトップアマ阪田氏の言葉です。
神大はこの言葉通り、とてもきれいに整列しているのでクリアで良質な音が聴けるような予感を与えます。

課題曲は変拍子で、それもめまぐるしく変わっていきます。それをこのバンドはすべて正確に表現していて、今 何分の何拍子かが、分子だけでなく分母まで伝わる完璧な拍子感。
これは見事というしかありません。
次々とぶつかる不協和音、そのすべての音が聴こえてきます。それぞれの音符の重さ速さ、キレが全部統一され一糸乱れぬ高度のアンサンブルを見せてくれます。
難解なジャズ風現代曲でしたが、正確な拍子感により、とても理解しやすく聴けました。 サイコーです。
課題曲の最後に小澤先生の舌をベローと出してる姿がちらりと見えましたが、これは何の意味でしょうか。

自由曲は初めて聴く曲です。バリトンサックスがテーマを演奏し、それをテナーサックスが応え、アルトサックスにつなげる。
そして、金管が展開させる。
高さんの作品は1つのテーマを大切にして、展開させたり受け継がせたり、リズムが変わってきたりして、少しずつ深いところへと導いてくれます。
ドキドキするような緊張感。鬼気迫る迫力。
大きな音を出すことが迫力ではないと、この演奏は示してくれます。
ちらりと見せるやさしさ。暖かさ。
再び現れる不安定な緊張感。そして最後にその答えを語ってきます。

ここで、ヴァニタスの意味がよくわからなく、ネットで調べたけど下記↓くらいしか見つけられませんでした。
http://www.paintweb.jp/text/vanitas.html

どうでもいいことかもしれませんが、最後に小澤先生が客席にお辞儀をした時も、課題曲の最後と同様に舌を出してましたが、何か意味があるのでしょうか。
「ごめんね」という舌だしではなく、真面目な顔、そう、アインシュタインを思わせる舌だしでした。

まだお辞儀の途中なのに照明が暗くなる。
ちょっと早すぎないか?

   私的審査 課題曲AA 自由曲AA 得点20 結果:金賞

2:九州代表 福岡大学応援指導部吹奏楽部/指揮:花岡金光 2年連続29回目
  課題曲T 自由曲:「カルミナブラーナ」より/作曲:Cオルフ/Jクランス

課題曲:拍子感が上手く表現できてなく平坦なリズム感に聴こえましたが伝統あるサウンドは健在。懐かしく感じました。
自由曲:小節の始まりである1拍目をしっかりと流れず表現できるとオルフの迫りくる迫力をもっと表現できたと思います。

   私的審査 課題曲BD 自由曲DE 得点9 結果:銅賞

3:北海道代表 札幌大学吹奏楽団/指揮:今井俊勝 休み明け8回目
  課題曲U 自由曲:バレエ音楽「クエスト」より/作曲:Wウォルトン/木村吉宏

こんどは照明点灯早すぎる。気を配っていただきたいものです。

課題曲:相変わらず元気モリモリのバンドです。
みんな楽しく演奏しているのは良く伝わってきますが、ちょっと音が大きすぎて耳が痛くなりました。
自由曲もさらにしっかりとチューニングできると色彩感がもっと出るのではと感じた次第です。

   私的審査 課題曲EC 自由曲EE 得点6 結果:銀賞

4:西関東代表 文教大学吹奏楽部/指揮:佐川聖二 3年連続19回目
  課題曲V 自由曲:アダージョ・スウォヴィアンスキェU/作曲:天野正道

この大学は、演奏する前からいつも色気を感じます。指揮者のせいでしょうか。
文教大学はとても好きなバンドです。毎回つい期待してしまうのです。
しかし
んん? なんかいつもと違う。

とても美しく響かせたいいサウンドですが、演奏が押しつけがましいといいましょうか、引き込まれるような演奏でなく、この曲はかく演奏するのだ、という強引な歌い方とでも申しましょうか、自分たちの主張だけ言っているような、
とても柔らかくふくよかな演奏ですが、期待が高いだけにちょっと気になった次第です。

自由曲も、佐川先生見事な指揮ぶりですが、これも歌い方が熱すぎて、高圧的にも感じます。
押しては引き、引いては押す。といういつもの歌が聴こえてきません。
主張ばかりされると反論することもできず耳を閉ざしてしまうこともあります。

一生懸命伝えようとし過ぎて力んでしまったのだろうか。

私のこのバンドに対する期待がむちゃくちゃ大きいだけに最高レベルの注文を言ってすいません。

   私的審査 課題曲AB 自由曲BC 得点16 結果:金賞

5:関西代表 立命館大学応援団吹奏楽部/指揮:茶屋克彦 2年連続5回目
  課題曲T 自由曲:カントゥス・ソナーレ/鈴木英史

まだセッティング中にもかかわらず点灯。なんか、アナウンサーと照明の息が合ってません。
課題曲:場面の展開が一本調子で変化がなく、結局何が言いたいのか伝わってこない。終始素晴らしいサウンドですが、聴かせたい音、旋律は何なのか明確にしていただくともっと良くなると感じました。
自由曲:とても表情豊かな曲ですが、その表情の変化を演出するのが難しかったようです。この大学は毎年良い音になってます。今回は残念でしたが次回に期待です。

   私的審査 課題曲BC 自由曲BD 得点13 結果:銀賞

6:東海代表 静岡大学吹奏楽団/指揮:三田村健 2年連続9回目
  課題曲U 自由曲:ハンガリー民謡「孔雀」による変奏曲/作曲;コダーイ/森田一浩

とても品の良いきれいな音が会場を包みました。
マーチの1拍目をもうすこし印象付けるようにしっかり刻まれると曲全体が引き締まると思いましたが、なんといっても気持ちのいい素晴らしい音。
すべての楽器が最高のバランスで溶け合うとこういう魅力的な音になるのでしょうね。

気持ちいい。

課題曲と自由曲の間で全員譜面をめくる動作がないので聴く私も緊張感持続していましたが指揮者のみパラパラとめくりだし、緊張感が途切れてしまいました。
課題曲と自由曲の間の空気感はとても重要です。三田村先生にはぜひご一考お願いします。

自由曲:場面ごとにもっと表情が変化してくれると感動が深まると思いました。でも やはり気持ちいい。素晴らしいサウンドです。これほどの音を作り出す静大はすごい!

   私的審査 課題曲AB 自由曲AB 得点18 結果:銀賞

       休憩
そして予鈴が
ブーーーーーーーーーーーーーー  何とかなりませんか

7:九州代表 福岡工業大学吹奏楽団/指揮:柴田裕二 休み明け11回目
  課題曲X 自由曲:波の穂/作曲:長生淳

課題曲:神大の見事な拍子感と比較して申し訳ないけど移りゆく変拍子の面白さが出てませんでしたが、それは無理な注文。これはとても難しいことですけどね。
でも、充分曲の魅力は出ていました。バスのソロも優秀。
自由曲:長生さんの曲は、とても魅力的で大好きですが、演奏する方は大変なんでしょうね。とくに指揮者の表現力といいましょうか計算力とでもいいましょうか、まあ難解な曲です。
譜面の奥の奥まで掘り下げないとこの曲の良さが伝わりませんね。
サウンドはいつも通り優秀です。

   私的審査 課題曲AC 自由曲BC 得点15 結果:銀賞

8:関西代表 龍谷大学学友会学術文化局吹奏楽部/指揮:若林義人 休み明15回目
  課題曲V てぃーだ/作曲:酒井格

いつものように変則的な並び方。最上段に2列 上からホルン、トランペット。その前にトロンボーン。2段目にフルート、オーボエ、ファゴット。ベタは最後列にユーホとバス。扇方に下手からクラリネット、バスクラ、上手にサックス。
課題曲:日本のお祭りのようなビート感。リズミカルで楽しい表現をしていました。ただ、沖縄のノリとは少し違うような気がしましたが、まあいいか。
自由曲:ちょっと大味と言いましょうか、大げさと言いましょうか、私はそのように感じましたが会場は大盛り上がり。課題曲と同じノリでわんさかわんさか楽しく演奏していて。てぃーだ「太陽」のように温かく明るく、終了後は大拍手でした。

   私的審査 課題曲BA 自由曲BB 得点17 結果:金賞

9:中国代表 川崎医療福祉大学ウインドオーケストラハートフルウインズ/指揮:岩田俊哉 6回目
  課題曲W 自由曲:リベレーション〜我を解き放ち給え〜/作曲:Dマスランカ

課題曲:ほんの少しリズムが不安定に聴こえました。マーチはそこんところが難しいですね。とても優しい音で気持ちも温かくなりました。
自由曲:哲学的な題名の曲ですが、やさしく温かい音がここではマイナスになったのでは、やさしい音なので緊張感を感じがたく選曲ミスだったかなと感じました。

   私的審査 課題曲CD 自由曲CC 得点13 結果:銅賞

10:北陸代表 金沢大学吹奏楽団/指揮:澤江武史 休み明け15回目
  課題曲T カレイドスコープ/作曲:Pスパーク

課題曲:良い音でしたが、単調になってしまい、場面の変化を表現しきれてなかったように思います。
自由曲:譜面の表面のところはきっちり抑えていましたが、私としては、その奥のところを聴きたいと思った次第です。まあ、それが難しいんですよね。

   私的審査 課題曲DE 自由曲DE 得点6 結果:

11:東京代表 駒澤大学吹奏楽部/指揮:上埜孝 3年連続22回目
  課題曲U 自由曲:「中国の不思議な役人」より/作曲:バルトーク/上埜孝

課題曲:音ががさがさとしていてチューニングも微妙にずれているんですが、違和感がなく逆に気持ちよく感じるのは何故なんだろうか。とても広々とした青空と美しい山々に囲まれているような穏やかな気持ちにさせてくれました。最後の音のまとめ方が憎い。
自由曲:むちゃくちゃ大荒れ、大ざっぱな演奏に思いましたが、でも不思議と心地いい。
この魅力は何なんでしょうか。全然美人じゃないんだけど、洋服も似合ってないのについつい引き込まれてしまう女性っていますよね。そんな感じ。

   私的審査 課題曲CA 自由曲CA 得点16 結果:金賞

12:東北代表 福島大学吹奏楽団/指揮:井上龍郎 初出場
  課題曲W 紺碧の波濤/作曲:長生淳

指揮者深々と一礼。
譜面をしっかり見て、今何の音とか何拍子とかそのほかのもろもろとかをしっかり見ると音楽になってくるのだと思います。

   私的審査 課題曲DE 自由曲DE 得点6 結果:銅賞

終わりに
コンクールと言っても音楽の祭典として学生の皆様が日々努力した集大成を発表するのです。できましたら会場側も予鈴とか照明とか細かなことへの気配りをお願いしたいと思った次第です。地方都市の開催で不慣れなことも多々あったことと思いますが、頑張っている学生のために細部にわたり応援してあげてほしいと思いました。
でも、できれば大都市でお願いしたいものです。

と、思っている私に不幸なお知らせです。

来年は、なんと、

青森
青森なんだそうです。

どーして青森なの、吹連さん。都会は嫌いなの?