2005神奈川大サマーコンサート 本文へジャンプ

心配された今年のサマコン。聴きに行って来ました。会場に来れなかったファン・OBの皆様、今回もその模様を報告いたします。

現役の学生さん。特に幹部の皆様は、いろいろな事があり大変だったと思います。お疲れ様でした。


  日時:2005年6月12日12時45分開場 13時30分開演


序曲「ローマの謝肉祭」/ベルリオーズ作曲

木管を中心にしたシンフォニックな響きで始まりました。コールアングレのソロもよい。その後のサックス群の音色がすばらしい。途中、練習不足かな?と思われた部分もありましたが、全体としてはOKでしょう。

この曲をアマチュアが演奏すると、ガサガサとした盆踊りのような表現になる場合が多いが、神大はさすがに上質な響きと落ち着いたテンポ感で気持ちのよい演奏でした。


マーチ「春風」/南俊明作曲〜2005年度課題曲V

秋に作曲したので「秋風」にしようと思ったが、さわやかに出来上がったので「春風」という題になったそうです。


ストリート・パフォーマンス・マーチ/高橋宏樹作曲〜2005年度課題曲U

題名のように大道芸人たちがにぎやかにパフォーマンスしながら行進しているような曲。


メキシコの祭り/O・リード作曲

私の大好きな曲。私が4年のとき、定期演奏会で演奏した曲です。いろんなことを思い出します。

 第一楽章「プレリュードとアズテック・ダンス」

私たちの時は、最初のバスクラのところで館脇(歯)が1小節早く飛び出し皆が冷や汗をかきました。指揮台の小澤先生が館脇(歯)をにらみ怒ってます。「アホ・バカ・まぬけ」とか言いながら振っていたと思います。怒ることで全員にバスクラが1小節飛び出したことを知らせる為だったようです。

この時、私は館脇(歯)に感心しました。通常の人間なら、萎縮して演奏をやめたり、どこかで修正しようとするものですが、館脇(歯)は、何食わぬ顔して堂堂と演奏し続けました。結局皆が館脇にあわせ、この曲は1小節短く終わったのです。

現役の皆様は、そんな事件があるわけがなく、見事な演奏でした。3拍子の表現が抜群。踊りだしたくなるようなテンポ感。ブラボーです。

 第二楽章「ミサ」

この楽章は、最後の学生指揮である私が、ハーモニーやバランス感の練習になると考えて基礎練習でも良く使っていた事を思い出しました。当時の皆さんは憶えていますでしょうか。

現役の皆様は、すべての楽器が混ざり合った重厚な響きで、ミサを表現していました。最後、オフステージでは1つの音を延々と演奏するホルンソロ。同じ音だけを重ねて祈りを表現するのです。深い表現力が必要です。現役のソロはすばらしかったのですが、ここだけは私たちの時代、山崎のソロの方が良かったと言わせて下さい。(現役のソリストさん、ごめんなさい)

山崎は、この淡々としたメロディに1つ1つ表情をかえ、言葉で何かやさしく語っているような演奏をしていたと思います。改めて山崎の凄さを思い出しました。

 第三楽章「カーニバル」

この楽章は、私のずっと先輩方がコンクール初演をした楽章です。そのころ神大の自由曲はコンクール初演や本邦初演が多かったと思います。新しい曲を紹介するという使命も当時の先輩方はもっていたのだと思います。先輩方も私とは違った思い出を引き出しながら聴いていたのではないでしょうか。

記憶違いなら申し訳ありませんが、小澤先生も当時神大のコンクールでの演奏を聴いていたという話を聞いた様な気がしますが、自信がありません。関係者の皆様、一度聞いてみてください。

演奏は拍子感がすばらしく、パーカッション、重厚なブラス、リズミックな木管と全てが重なり合い、最高の盛り上がりを見せました。超ブラボーです。


   休憩


幻想曲ト長調/バッハ作曲

この曲は確か玉川さんの時、夏の演奏旅行で演奏したような気がします。あの時私は2年でサブマネージャーをしており、群馬音楽センター(だったと思う)の演奏旅行の営業を任され、何回も高崎や前橋へ行き、天才トランペッターながら事情があり吹奏楽部を辞めた山本佳弘(今は名前を変えて作曲家として活躍しているようです)を頼ったり、多くの学校や楽器屋も回って、満員に出来ると自信をもって臨みましたが、なんと、開けてみれば満員で2000人収容のホールに100人くらいしか入ってなく、泣きそうな気持ちでファゴットを演奏してました。この時、営業の厳しさを勉強しました。

演奏は、ゆったりとしたテンポを保ち、色彩感良くオルガン以上の重厚感でクライマックスを迎えました。


パスク・ロマーナ/松尾善雄作曲〜2005年度課題曲T

ローマ帝国の映画音楽のような曲。

課題曲を3つ聴いたけど、曲のせいか演奏のせいか分からないが、つまんない。

課題曲は長期間練習する曲なので、作曲家の皆様にも、もう少し頑張ってほしいものです。特にマーチの年は作曲家先生の手抜きも多いような気がする。


チャルダッシュ/モンティ作曲

ヴァイオリンの独奏曲をマリンバのソロにしての演奏です。ソリストの加賀さん(4年)はきらびやかなドレスできめ、緊張のためか多少のミスがあったり音が硬く感じるところもありましたが勢いのある若々しい演奏で聴衆を魅了してました。拍手も一番多かったと思います。大役お疲れ様です。よかったです。

私が1年の時、井上先生の立川女子高が今回と同じようにマリンバで演奏したのを思い出しました。あの時は、中間のピアニッシモを撥でなく、指でたたいてピアニッシモを表現していました。その繊細な表現力に感動したことを思い出しました。


歌劇「イーゴリ公」よりダッタン人の踊り/ボロディン作曲

この曲も、私が4年の定期演奏会、最後の学生指揮者として振った曲。当時よく、上記の立川女子高・井上先生の奥さんにテンポ感が悪いと厳しく叱られ、リズムトレーナーで特訓したことを思い出します。でも本番の後は、「よかったよ」と褒めてくださり、一輪の花を胸ポケットに入れてくれました。教育的お世辞と分かっていても、とても嬉しく思いました。井上先生はお元気でしょうか?

演奏は一本調子の私の指揮と違い、各場面でのテンポ設定も計算され、色彩感豊に、そしてドラマチックに表現し楽しく聴かせていただきました。ブラボーです。


  アンコール


サンライズマーチ/佐藤俊介作曲〜2005年度課題曲W

なんかつまらない曲だなと思ってたら、やはりこれも今年の課題曲でした。


美空ひばりメドレー

星条旗よ永遠なれ

観客の、はやる手拍子に誘われず、しっかりとしたテンポで始まりました。ピッコロも決まり、最後はマーチングの衣装でBチームも出場し大音量で終わりました。

今回の選曲は、私としても思い出の曲が多く、とても楽しめました。

いろいろ心配された今年のサマコン。ほんとにお疲れ様でした。

ここで、気になったことが1つ

私の斜め前にハンディを持った人が家族と一緒に来ていて、演奏中に手を振ったり、上げたり、立ち上がったり、「アーウー」と叫んだりしてました。私の席は、その方の1列後ろで4席ほど離れていましたが、さすがに、演奏中に声を出されたり、席を移動されたりすると気になります。わたしよりもっと近くにいた人は演奏に集中できなかったことと思いました。

ハンディを持った人と、一般人が一緒に聴ける良い方法はないものか。もし、良いアイデアがあればメールください。